シニアレジデント


夜の世田谷です。


病院の駐車場もひっそりとしていますが、
たまに救急車もやってきます。
今夜は初回から、ドラゴンズが弱く、NHKの7時のニュースに
チャンネルを換えたら入院先の病院長がインタビューされていました。
最後のほうしか見られなかったのですが、おそらく
「最近産科病棟を廃止した総合病院」の意見を求められているようでした。


病院に2ヶ月ちかくいると、確かにお医者さんたちの肉体的・
精神的(=全身体的)なストレスは凄いな、と感じさせられます。
今回、東京の濹東病院で起きた妊婦事故は、もはや大都会でも産科や
小児科の医師不足が申告であるという事実を如実に物語っているだけではなく、
医師の育成過程のシステムの問題、医師の倫理観教育、低待遇(給与)、
労働基準外の拘束時間の長さなど、数えきれないほどの課題が
山積みになっていることが白日に晒されたのだと思いました。


今回、当直だったとされるシニアレジデントさんという耳慣れない研修医は、
大学院を卒業して通常の初期研修を経た3〜6年目の方を指します。
ですから、人によっては現役でも32歳のお医者さんでも
シニアレジデント(研修医)と呼ばれている可能性もあります。
今回の担当者は医師免許所得4年目とありましたから、
おそらくシニアレジデントになって1年半、病院に入って3年半ですから、
そんなに経験がない訳でもなく、声高に話題にする必要は無いと思いますが
「研修医」という響きは、報道的に活字にしやすいのでしょうね。


でも、実際、32歳でもシニアレジデント(研修医)さんと呼ばれる訳ですし、
今回わたしの入院している先でたまに肺を診てもらう、
シニアレジデント1年目の内科の先生(27歳・理3卒)もとても立派な方で、
最初32、33歳かと思っていました。ちなみに彼は、
基本毎日(毎休日も)病院に来ていて、たまに里帰り出産した妻子に会いに
岡山(!)に行くときだけ病院を休んでいます。でも、待遇はよくないでしょうねえ。
シニアレジデントという単語に馴染みなかったのでグーグル検索しても、
Wikiにもまだ記載されていませんでした。
各総合病院の募集要項がズラッーと出てくるのですが、
面白いことに給与について記載がある病院が10件に1件くらいしかありませんでした。
HPに載っていたので公表して構わないと思いますが、報酬が記載されていたのは
都立府中病院と都立広尾病院でした。
検索上位でシニアレジデントさんの給与を記載して募集をかけている病院が
都立のこの2つだけというのも・・・.
2年目の初期研修医の方が選ぶには、あまりに情報が少ないですよ。


ながく書くつもりはありませんでしたが、繊細な問題なのでちょっと丁寧に書いています。
自分の担当医さん(主治医ではありません)もシニアレジデントですが、
毎月のように週末に学会発表がありその研究にも時間を割いていて、本当に頭が下がります。
そして、いつもありがとうございます。


まずは、勤務医と呼ばれる職業体型を見直さなければならない時期に
差し掛かっているのかもしれないと、門外漢の自分でも感じた日本の医療のお話でした。


機材:Nikon D80 / AF Nikkor 35mm D
データ:1/4 F2.0 ISO400