太陽
入ってますね。
ご存知、現人神にあらせられる昭和天皇裕仁を
大東亜戦争の終結の前後に焦点をあてることにより
人間ヒロヒトを描くことに腐心した、ソクーロフ、
偉人？４部作の第3作。
撮影監督にソクーロフ本人の名がクレジットされていますが
ビデオで撮っているソクーロフは、正直あまり好みではありません。
快作「ストーン」や「静かなる一頁」の頃の
『どうやって撮っているんだ？？』的な、
フィルムの限界を超えるような描写を生み出す
超絶テクニックは影を潜めています（超の２乗ですね）。
そのかわりといっては何ですが、とにかくヒロヒトが素晴らしい！
徹底的な考証と果てのない想像力を駆使して作り上げられた
ソクーロフ版ヒロヒトは、紛れもない映画史に残る
カリスマになっています。
観ているうちに、イッセイ尾形演じるこの人物に
すっかり魅せられてしまっているのですよね。
映画の終盤、人間宣言以降のある日、ヒロヒトが
アメリカ軍に邪見にされるシーンがあるのですが
「こら、この人になんて無礼なことをするんだ！」と
憤っている自分がいたのですよね。
生前そんなことなど露と思ったこともなかったのに
この映画には嵌められましたねえ。
